今回の記事では、前回に引き続き白内障について触れていきます
世界的にも患者数は多い白内障ですが、原因はどのようなものがあるのか
ここでは何個か紹介していきます
白内障発症の原因を知ることで、あなた自身が対策をとったり、ご家族の方の助けになれれば幸いです
加齢
加齢は白内障の発症理由で最も多い要因になります
白内障は目の中にある、水晶体が白く濁ることで発症します
水晶体はタンパク質と水分で構成されており、目においてレンズの役割をしたり、紫外線をカットするなどの働きをしています
しかし、長年の紫外線暴露によって、活性酸素という物質が体内で作られていきます
この活性酸素によって、タンパク質の変性が起きて、水晶体は白く濁ってしまいます
白内障の発症時期は人それぞれで、早い人では40代から発症する人もいます
周囲から徐々に白く濁ってゆくため、白内障の自覚がない方がほとんどです
他の目的で眼科に受診した際に、白内障が見つかる場合も多くあります
| 50代 | 全体の37%～54% |
| 60代 | 全体の約66%～83% |
| 70代 | 全体の約84%～97% |
| 80代以降 | 全体のほぼ100% |
糖尿病
＊糖尿病性白内障の原因は、明確には解明されていません
糖尿病で高血糖値の状態が続くと、ポリオール代謝が亢進して、白内障の原因になると言われています
ポリオール代謝とは？
摂取したグルコース（ぶどう糖）は、ソルビトールという糖アルコールに変換され、さらにフルクトース（果糖）に変換されます
糖尿病で高血糖値の状態が続くと、余分な糖を排出しようとするためにポリオール代謝が活発化し、細胞内のソルビトールとフルクトースの濃度が上昇します
このソルビトールは水晶体の中に蓄積しやすく、白内障を引き起こす原因であると言われています
糖尿病性白内障は、水晶体の後側にある後嚢の中心から混濁する特徴があるため、視力障害などの発症初期から症状が現れます
アトピー
アトピー性皮膚炎を発症している約30%の方が、白内障を併発させているという報告があります
発症の原因は明確に解明されていませんが、以下の要因が関係していると言われています
・免疫異常
・痒みに対する掻く・叩く・擦るといった刺激（外傷性に近い）
先天性
先天性白内障は、生まれつき水晶体に濁りがある症状で、原因としては遺伝的な要因と、母親が妊娠中に発症した風疹が胎内で感染したことが主な要因とされています
症状が急激に進行するケースは少ないため、経過を観察するのが一般的ですが、水晶体の濁りが強く、見え方に問題があると判断した場合は早急に手術を行います
先天性白内障には、生まれた時から症状がある場合と、成長過程で白内障が現れる場合もあり、後者を発達性白内緒と呼ぶこともあります
外傷
外傷性白内障は、目の怪我が原因で発症する白内障です
発症原因は、眼に強い衝撃を受けたことで水晶体がダメージを受けることが主な要因です
力仕事などで目を打ったり、突いたりといった強い衝撃を受けた時や、球技などのスポーツをしている時に眼にボールが当った衝撃で、白内障を発症することがあります
また、眼内の手術時に水晶体がダメージを受けることによって発症する場合もあります
他の病気によって併発（併発性白内障）
併発性白内障は、他の眼の病気に併発して発症する白内障です
白内障を併発する主な眼の病気には以下の病気があります
・ぶどう膜炎
・網膜剥離
・網膜変性症
・緑内障
これらの眼の病気の診断を受けた場合は、定期的に眼科を受診して経過を観察することが大切です
ステロイド（薬剤性）
ステロイド剤の副作用によって白内障を発症することがあります
発症の原因は明確に解明されていませんが、服用しているステロイド剤の容量が多く、服用期間が長くなるほど発症リスクが高くなる傾向があります
放射線
放射線の被曝によっても白内障を発症することがあります
放射線との関連性については、明確に解明されていませんが、放射線被曝によって細胞が突然変異を起こすことが原因ではないかと言われています
癌や白血病などに対する放射線治療で、多量の放射線を受けた方に多く見られ、短期間で多くの放射線を浴びた場合は、水晶体の濁りが急速に進行することがあります
コメント