今回は、夏の定番でお婆ちゃんの家に行くと、出てきそうな野菜No,1のスイカについてです
花火を見ながら食べたり、海辺でスイカ割を楽しんだり、夏と言えばスイカですよね!
漢字では「西瓜」と表記され、漬物に利用されたりもします
スイカといえば疑問に思うのが、「野菜なのか、果物なのか」ですよね
ツル科の植物のため植物分類上は「野菜」ですが、栄養学では「果実類」として扱われており、実はどちらも正解なようです
そんな不思議なスイカの魅了に迫っていきたいです
スイカの基礎知識(栄養素、効能)
スイカには様々な栄養素が含まれていて、その効果は男性、女性両方に大きなメリットがあります
「スイカを食べるとトイレが近くなる」
「疲れが取れる」
「絶倫になる!!!」
などと聞いたことはありませんか?
この記事では、そんな眉唾な噂話を栄養素と関連付けて解説していきます!
まずはスイカに含まれる栄養素を見ていきましょう
- カリウム
- βカロテン
- アルギニン
- シトルリン
- ビタミンC
それぞれ解説していきます
カリウム
スイカを食べるとトイレが近くなるのはこのカリウムが関係しています
スイカは、90%が水分でできており、利尿作用があるカリウムも豊富に含まれています
そのため、スイカ自身が含んでいる大量の水分を自らのカリウムで排泄しようとするのです
その際、ナトリウムも一緒に排泄されるため、むくみの改善に役立ちます
カリウムは塩分を体内の塩分を調節し、高血圧の改善に役立ちます
さらに、塩分と同時に水分の排出も手伝ってくれるため、
体のむくみを改善したりデトックスにも効果を発揮します
また、神経や筋肉などの活動を正常に行わせるためにも欠かせない役割を果たしています
(ナトリウム・カリウムポンプ)
しかし、腎臓の機能が低下している場合、血中カリウム濃度が上がりすぎると心臓停止にもつながってしまうため、腎機能が悪い方は医師との相談のもと摂取量を調節してください
βカロテン
強い抗酸化作用をもつβカロテンは、活性酸素の発生を抑え、取り除く働きを持っています
本来の活性酸素は、体内に侵入したウイルスと闘う健康維持に大切な物質ですが、増加しすぎると体に害を及ぼします
(活性酸素は毒性が強いためウイルスも死滅させられる)
活性酸素は、動脈硬化や免疫力の低下、老化の促進などを引き起こすこともあるので、食事から抗酸化物質を摂ることは健康維持のためにとても大切です
また、体内に取り込まれたβカロテンはビタミンAの産生を促進し、
体内で必要に応じて皮膚や粘膜を守るはたらきをしてくれます
アルギニン
アルギニンはアミノ酸の1種で、推奨摂取量は厚生労働省が定めていませんが、
1日2000mg~5000mgの摂取が必要とされています
すいかには5100mgのアルギニンが含まれており、1日の摂取量を十分に満たしています
体内では
・血行促進
・疲労回復
・免疫力向上
・成長ホルモン分泌促進
などに関わる働きをしており、健康維持や成長・発達に欠かせない栄養素になります
成長ホルモンは、男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促進し、精力増進効果を期待できます
成長ホルモンは成長期においては、身長を伸ばしたり筋肉をつける働きをします
成人においては、疲労回復の効果を発揮します
スイカを食べると疲れが取れると言われるのは、このアルギニンが関係しています
シトルリン
シトルリンとは、遊離アミノ酸のひとつで、1930年頃に日本でスイカから発見されています
ウリ科の植物に多く含まれており、食品から摂取できます
アミノ酸の状態で生体内に存在しており、特にアンモニアから尿素を生成する回路で、重要な役割を果たしています
また、アルギニンとシトルリンは可逆的な関係をしており、お互いが
アルギニン→シトルリン→アルギニン...と常に変化しあっている
アルギニンがシトルリンに変化する際にNO(一酸化窒素)を作りします
このNOが血管拡張作用を有し、血流増加によって勃起力の向上をサポートします
他にも多くの効果を期待できます
- トレーニングの補助
- 生活習慣病予防
- 疲労回復
- ダイエット
- 冷え性改善
- むくみ解消
- 美肌になる
NO(一酸化窒素)は医療の現場でも用いられ、血管拡張作用によって
・肺高血圧
・心臓の負荷軽減
・小児の生命維持
などにも用いられています
スイカで絶倫になる⁉
この絶倫になるというのはアルギニンとシトルリンが関係しています
〇アルギニン
・血行促進
・成長ホルモン分泌による男性ホルモン増強
〇シトルリン
・血流量増加
・NO(一酸化窒素)による血管拡張
アルギニンは男性ホルモン(テストステロン)を分泌し性欲を高める
シトルリンはNO(一酸化窒素)を作り出し血流をよくする
この2つの栄養素が組み合わさることによって絶倫モードに突入するのです
ビタミンC
ビタミンCには多くの作用があります
- 抗酸化作用
- コラーゲンの合成
- 腸で鉄分の吸収を助ける
ビタミンCは体の老化にもつながる酸化物質(タバコや紫外線、ストレスなどによって発生した活性酸素によるダメージ)から、自分が身代わりに酸化されることによって僕たちの体も守ってくれています
コラーゲンは女性に嬉しい栄養素で、美しいお肌の維持に欠かせません
爪や髪の毛の合成にも関与しています
腸で鉄分の吸収を助けることにより、赤血球の産生を間接的に補助しています
ビタミンCが不足すると、コラーゲン不足から結合が弱くなり歯茎や粘膜から出血を起こします
これを「壊血」と言います
栽培時期
3月中旬にポットに種を蒔いて育苗
5月上旬に定植
7月〜8月頃の収穫
栽培方法
土の酸度 | pH6.0~6.5 |
畝幅・株間 | 200cm×200cm |
畝 高 | 15~20cm |
連作障害 | あり。3~4年あける |
苗作り
1.9cmポットに1〜2粒ずつ種をまき、厚さ1cmほどの覆土をして、たっぷりと水をやります
2.本葉が出たら間引いて1本立ちにします
土作り
スイカは、根から酸素をたくさん取り入れます
なので、
・酸素を取り入れやすいよう、深く耕す
・堆肥などの有機物を多めに施して通気性をよくする
など意識して土作りします
〇植えつけ2週間前
石灰を畑全面にまいてよく耕します(1m2/石灰150g)
〇植えつけ1週間前
1. 2m四方の中心に、幅30cm、深さ30cmの穴を掘ります
2. 1の中に元肥を入れます
(1m2/堆肥2kg、化成肥料30g、ヨウリン(または魚粉)15g)
3. 円形に土を盛って、鞍つきをつくります
株と株の間は1~2mあけましょう
生育初期に肥料が多すぎると「つるぼけ」を起こして果実が付きにくくなります
そのため、元肥は控えめに、着果後の追肥で調整しましょう
植え付け
1. 鞍つきの頂上に植え穴を掘ります
2. 1に水をたっぷり注ぎます
3. 穴に注いだ水が引いたら、植え穴に苗を置きます
4. 土をかぶせ、株元をかるくおさえます
5. 株のまわりにドーナツ状にくぼみをつくります
6. たっぷり水をやります
育つとツルが広がるので株間は100cm以上あける
また、定植後たっぷりと水をやります
スイカは高温を好むので、植え付けは気温が十分に高くなってから行う
手入れ
親づるは、5〜6節目で先端を摘心
子づるは、勢いのよい3本を残して取り除く(小玉スイカは5〜6本残す)
孫づるは、全て取り除く(目標果が着果した後は放任で構わない)
敷きワラマルチ
葉が茂ってきたら、株元からツルが伸びる方向に敷きワラをします
ツルがワラに巻きヒゲを絡ませて伸長するので、地表に固定されて風雨にも強くなります
また、実がなってから収穫まで、実の下にワラや刈草などを敷いておくことで、
・だんご虫が皮を食害
・傷口からカビが侵入する
などを防ぐ効果もあります
人口受粉
晴れた日を選んで、朝9時までに人工受粉を行います
1. 雄花の雄しべを摘み取ります
2. 各つるの18節以上についた3番目の雌花を探します
この際、日付を記録しておくと収穫時に役立ちます
追肥
スイカの追肥は1回だけ行います
実がピンポン玉大になった頃、株元の周りに追肥を施しましょう
摘果
実がついてきたら、1本のツル(子づる)に2個の実を残して摘果します
実がソフトボール程度に肥大した頃、形の良い方を1個残して摘果します
玉直し
玉直しは、実の色むらを防ぎ、実の形をよくするための作業です
スイカは地面に這って成長するため、実が地面に接している部分には日が当たらず、色がまだらになってしまうことがあるため、玉直しを行います
この作業を行う事で、スイカのお尻の黄色をなくすことができます
実がソフトボール大くらいになったら、実の位置を変えましょう
実が土に触れていると病気や害虫発生の一因になるため、
土に触れていたら実の下にワラを敷き直しておきましょう
収穫
見た目や叩いた音などで判断するのは難易度が高いです
そのため、収穫の目安は、受粉日から35~40日目とします
収穫するときは、ヘタをはさみで切りましょう
自分で判断して収穫したい際の、見極めサイン
・実の肩(ツルに近い上の方)を叩いて低い音がする
(コンコンと高い音だとまだ早く、ベンベンと低くて鈍い音がよい)
・実がなっている節から出た巻きひげが根元まですっかり枯れている
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