心筋梗塞のマーカー【測定項目・基準値】

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心筋梗塞を発症してしまうと、心臓に栄養を運んでいる冠動脈が閉塞し、心筋(心臓の筋肉)が壊死してしまい、最悪の場合は死に至ることもあります
そんな恐ろしい心筋梗塞ですが、急に症状が現れる場合も多く、その場合には素早く判別する方法が必要とされます
今回は、心筋梗塞疑いの患者さんを判別するための識別マーカーとその基準値・特徴をまとめました

項目一覧

  • 心筋トロポニン(トロポニンT・トロポニンI)
  • クレアチンキナーゼ(CK)
  • CK-MB

緊急時にはすべて検査する必要はありませんが、心筋梗塞を識別するためには、何個かの項目を複合的に見て判断します
今回紹介する項目以外にも、白血球、LDH、ミオクロピン、GOT(AST)、GPT(ALT)などの項目も評価基準にすることができます

心筋トロポニン(トロポニンI・トロポニンT)

・トロポニンは筋原線維の収縮調節蛋白の一つ(普段は検知されないほど微量)
・3個の球状のポリペプチドからなるタンパク質(T、C、Iの三成分からなる複合体)
・中でも、トロポニンT、トロポニンIは心筋特異性が高い
(心筋障害を反映するマーカーとして臨床で広く用いられています)

基準値
トロポニン I: 0.5ng/ml未満(蛍光酵素免疫測定法)
トロポニンT: 陰性(簡易測定キット)、0.10ng/ml以下(ECLIA法)
*各測定法ごとに結果も異なってきます

胸痛の症状から4~8時間以内に初めて検知可能なレベルに上昇します
このレベルは約12~48時間でピークに達します
重症の心筋梗塞の場合、血漿中のトロポニンIは4~7日、トロポニンTは10~14日に渡って上昇します

クレアチンキナーゼ(CK)

・CKには3種類からなるアイソザイムが存在します
(アイソザイム:酵素としてのはたらきは同じでも、分子構造などが異なる酵素群)
・エネルギー代謝に関わり、骨格筋、心筋、脳などに存在しています
・これらの部位がなんらかの損傷をうけると上昇してきます
・筋肉の量と比例するため、男性は女性と比較して20~30%高値になります
・最大値が梗塞巣の大きさで、心筋壊死の量を反映します

基準値
男性…40~200IU/l
女性…30~120IU/l

心筋梗塞になると、筋肉からクレアチンキナーゼが血液中に漏れ出て上昇し、24時間前後でピークとなり、3~4日後にもとに戻ります

CK-MB
CKの3種類あるアイソザイムの1つです(CK-MM、CK-MB、CK-BB)

  • CK-MM:骨格筋に多く含まれる
  • CK-MB:心筋に多く含まれる
  • CK-BB:脳に多く含まれる

覚え方
 MM:筋肉(muscle)のMと覚えるのがおすすめです!
 BB:脳(brain)のBと覚えましょう!
 MBは余ったので心臓です!(^^)!

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