梅の栄養素
梅は飛鳥時代に、中国から漢方として伝来しました
戦国時代などでは、その豊富な栄養素から持ち運びができる携帯食として人気でした
江戸時代には一般市民にも梅を加工した食品が広まり、季節を知らせる旬の食品になりました
このように、日本の歴史と深く関連している梅ですが、非常に多くの栄養素を含んでいます
梅についても効能で、こんなことを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか
- 梅を食べれば疲れが取れる
- 風邪をひかなくなる
- 食欲がわいてくる
- 梅干しを入れればお弁当が長持ちする
このように、多くの素敵な情報が噂されています
この記事でそれらの栄養素を知り、梅の魅力を実感していただければ幸いです
梅に含まれる栄養素を一覧にしてみました
- カリウム
- 鉄
- ビタミンE
- クエン酸
- ポリフェノール
それぞれ解説していきます
カリウム
梅は100g当たり、240mgのカリウムを含みます
これはリンゴの2倍ににも相当します
カリウムは塩分を体内の塩分を調節し、高血圧の改善に役立ちます
さらに、塩分と同時に水分の排出も手伝ってくれるため、
体のむくみを改善したりデトックスにも効果を発揮します
また、神経や筋肉などの活動を正常に行わせるためにも欠かせない役割を果たしています
(ナトリウム・カリウムポンプ)
しかし、腎臓の機能が低下している場合、血中カリウム濃度が上がりすぎると心臓停止にもつながってしまうため、腎機能が悪い方は医師との相談のもと摂取量を調節してください
鉄
梅には100gあたり0.6mgの鉄が含まれています
野菜に含まれる鉄は、吸収率が低いと言われているため、吸収率を高めてくれるビタミンCや葉酸をいっしょにとると効果的です
鉄は赤血球のヘモグロビンの構成成分で、体内の細胞に酸素を供給するとても重要なミネラルです
- 鉄が不足する
- 赤血球の産生が下がる
- 貧血になる
このような貧血を「鉄欠乏性貧血」といい
- 細胞への酸素供給量が不十分となる
- 集中力の低下
- 頭痛
- 免疫力の低下
- 疲労
といった様々な症状が表れます
人にとって鉄はなくてはならない栄養素ですね
ビタミンE
梅は豊富なビタミンEを含むことでも知られており、
その含有量は100g当たり3.3mgで、実にリンゴの33倍に相当します
ビタミンEは強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあるので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立っていると考えられています
ビタミンEはこのほかにも、血管を酸化から守り、血行を良くする働きもあると言われています
クエン酸
梅の独特なすっぱさは、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれているためです
これらの酸味成分が胃液の分泌を促進し、食欲増進に効果を発揮します
クエン酸は筋肉にたまった疲労物質である乳酸をエネルギーに変える働きをもちます
これによって、疲労回復だけでなく、腰痛や肩こりなどの緩和、老化防止、疲れにくい体づくりにも役立つことが期待できるのです
また、クエン酸などの有機酸にはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨粗鬆症の予防にも効果的な栄養素です
梅に含まれているクエン酸は、殺菌・除菌効果にも優れています
昔からおにぎりやお弁当に梅干を入れるのは、クエン酸の微生物の繁殖をおさえる効果を狙っています
「うめは三毒を断つ」といわれ、このクエン酸が大きく関係します
三毒とは、食べ物・血液・水の毒をさします
ポリフェノール
植物が生み出す二次代謝物の一部で、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ植物成分です
代表的な作用として、高い抗酸化力が知られています
一口にポリフェノールと言っても化学構造の違いは様々で、人への健康効果も様々です
梅由来のポリフェノールをには、
・抗酸化
・降血圧
・消化管機能改善
・抗炎症
・脂質代謝改善
・抗疲労
・抗ウイルス
・食後血糖値低下
・防カビ
・骨粗鬆症予防
などの効果があります
梅を使った料理
梅は加工することで何倍も美味しく食べられます
ここではその一部を紹介していきます
梅酒
一般的な梅酒を作る場合は、青梅(また熟していない梅)を使用します
梅酒に使用する青梅は熟したものでも作ることが可能ですが、傷がなく、張りがあって青々としているものが良いとされています
梅干し
梅干しには熟し始めか、完熟のものがよいとされます
完熟の梅の場合、木についたまま熟されたものがよいでしょう
青梅の状態で収穫され、追熟により熟したものは香りが薄いようです
梅ジャム、梅シロップ
梅シロップや梅ジャムは、梅酒と同じように青梅でも熟した梅でも作ることができます
梅酒と同時に梅シロップや梅ジャムを作るのも美味しそうですね
生食は絶対にダメ!
梅は生で食べることは絶対にやめましょう
青梅に含まれるアミダクリンという成分が酵素により分解されると青酸を生み出し、中毒症状を起こす可能性があるためです
梅酒のようにアルコールで漬けたり、梅干しのように塩で漬けたり、ジャムのように加熱するなど、加工してから食べることを心掛けてください
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