ジャガイモは16世紀末、オランダのジャガタラ(インドネシアのジャカルタの古称)から伝えられました
ジャガラタが訛ってジャガイモと呼ばれるようになったそうです
酸性の荒れた土地でも育つため、初心者にも育てやすい野菜です
フランス語ではその豊富な栄養素から、「大地のりんご」と呼ばれるそうです!
ジャガイモの基礎知識(栄養素、効能)
ジャガイモはどの家庭の食卓にも並ぶ、万人に好かれている野菜です
カレーやフライドポテト、肉じゃがなど子供から大人まで幅広い年代に愛される料理に使用されます
ドイツでは主食として食べられており、高い栄養価を誇ることが分かります
そんなジャガイモの栄養素は大きく分けて5つ
1つずつ見ていきましょう
- ビタミンB1
- ビタミンC
- カリウム
- 食物繊維
- クロロゲン酸
ビタミンB1
じゃがいもに含まれるビタミンB1は、エネルギー産生に関与する栄養素です
ビタミンB1は水溶性ビタミンの1種で、ブドウ糖をエネルギーに変換する場合に必要となる栄養素です
炭水化物に含まれる糖質を多く摂る人や、よく身体を動かす人はエネルギーの産生が盛んです
そのため、より多くのビタミンB1を必要とするため、ビタミンB1が不足しないように注意が必要です
また皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きもします
糖質を栄養源として使っている脳神経系の正常な働きにも関係しています
不足すると糖質がうまくエネルギーにならないため、
・食欲がなくなる
・疲れやすい
・だるい
など夏バテのような症状になり、さらに不足すると脚気になってしまいます
ビタミンC
ビタミンCには多くの作用があります
- 抗酸化作用
- コラーゲンの合成
- 腸で鉄分の吸収を助ける
一つずつ解説していきます
ビタミンCは体の老化にもつながる酸化物質(タバコや紫外線、ストレスなどによって発生した活性酸素によるダメージ)から、自分が身代わりに酸化されることによって僕たちの体も守ってくれています
コラーゲンの合成も美しいお肌の維持に欠かせません
腸で鉄分の吸収を助けることにより、赤血球の産生を間接的に補助しています
ビタミンCが不足すると、コラーゲン不足から結合が弱くなり歯茎や粘膜から出血を起こします
これを「壊血」と言います
ジャガイモの中のビタミンCは、でんぷんに守られて加熱しても壊れにくいです
カリウム
ジャガイモはカリウムも豊富に含んでいて、100g中に410mg含有しています
カリウムは塩分を体内の塩分を調節し、高血圧の改善に役立ちます
さらに、塩分と同時に水分の排出も手伝ってくれるため、体のむくみを改善したりデトックスにも効果を発揮します
また、神経や筋肉などの活動を正常に行わせるためにも欠かせない役割を果たしています
(ナトリウム・カリウムポンプ)
しかし、腎臓の機能が低下している場合、血中カリウム濃度が上がりすぎると心臓停止にもつながってしまうため、腎機能が悪い方は医師との相談のもと摂取量を調節してください
食物繊維
食物繊維は2種類に分かれます
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
ピーマンには、
水溶性食物繊維が100gあたり 【4.9g】
不溶性食物繊維は100gあたり 【4.0g】 含まれています
〇水溶性食物繊維は
- 糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇をおだやかにする
- コレステロールの吸収を抑制して、体外への排泄を促す
〇不溶性食物繊維は
- 腸を刺激し、便を出やすくする
水溶性、不溶性ともに善玉菌を増やす作用があり、ジャガイモには水溶性、不溶性どちらも含まれているので、腸内環境を整えるのに役立ちます
クロロゲン酸
じゃがいもにはクロロゲン酸も多く含まれています
クロロゲン酸は特に、じゃがいもの皮に多く含まれているため、皮も一緒に食べるのが理想的です
クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用のある栄養成分です
じゃがいものほかに、コーヒーなどに多く含まれています。
がん予防や老化防止の効能、糖尿病の予防にも効果が期待されます
抗酸化作用があることから、血管病変への効能も期待されています
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 網膜症(失明リスクあり)
- がん
など様々な病気の予防に役立ちます
収穫時期
ジャガイモは春作、秋作の年2回栽培が可能です
根が肥大化したものに見えるジャガイモですが、じつは茎が肥大化したものです
このような植物を塊茎(かいけい)といいます
そのため、イモは種芋よりも上につき、地表に出やすくなります
栽培方法
土の酸度 | pH5.5~6.0 |
畝 幅 | 60~70cm |
畝 高 | 10cm(植えつけ時) |
株 間 | 30cm |
連作障害 | あり。3~4年あける |
ジャガイモの栽培方法には、マルチをかけるタイプもあります
今回は、マルチをかけない方法を記載していきます
タネイモの芽出し
- 雨がかからず
- 弱い光が当たる
- 15度前後の温度が保てる場所
以上の条件が揃た場所に、2〜3週間ほど並べて置いておきます
イモの表面がやや青くなり新芽が出てくれば、芽出しの完了です
タネイモの準備
〇植えつけ1週間前までに取りかかります
1. 種苗店などで無病のイモを購入します
2. 1片に2~4個芽が残るように、タネイモを切ります
3. 切り口を1週間ほど日陰で乾かします。
スーパーで売っているジャガイモや、収穫したジャガイモを種芋として利用すると、種芋が原因で病気が伝染する可能性が高くなるので注意
土作り
〇植えつけ1~2週間前
畑全体に石灰をまいてよく耕します
十分に根を広げて養分を吸収できるよう、深さ25cm〜30cmに耕します
*酸度を調べてpH6.0以上ある場合、石灰をまく必要はありません(1m2/石灰50~100g)
〇植えつけ直前
茎葉が過密にならないように、株間30cm、畝幅50cmを確保して畝を立てます
(1条植えの場合)
pHは5.5〜6.0が目安です。pH7.0以上になると「ソウカ病」
が発生してしまうので、石灰のやりすぎに注意。
植え付け
1. 畝の中央に、クワで深さ15cm程度の溝を掘ります
2. その中に30cm間隔で、切り口を下にしてタネイモを置きます
3. イモとイモの間に、堆肥を移植ゴテ1杯分と、化成肥料ひと握り分を施します
4. イモの上に6~8cm土をかぶせ、表面をクワで軽くならします
5. 植え付け後の水やりは不要です
近くに同じナス科の野菜があると病害虫が増え、キャベツがあるとジャガイモの生育が悪くなるため、これらの野菜とは離して植えるようにしましょう
手入れ
〇芽が5~6本出たら
1. 芽かきを行います(1~2本を残し、残りをすべてかきとります)
2. 芽かき後、株元に追肥します(1m2/化成肥料30g)
3. クワなどで株元へ軽く土寄せします
芽の数が多いと養分が分散し、イモが小さくなります
〇1回目の追肥後2週間
1. 2回目の追肥を行います(1m2/化成肥料30g)
2. 株元にたっぷりと土寄せします
イモは日光に当たると、緑化すると同時にソラニンという毒素のある物質
が作られるため、土寄せをしてイモを地表に露出させないことが重要です
〇花は早めに摘む
花が咲く頃に、土中のジャガイモが太りだします
花に養分がとられないように、咲いている花は見つけたら摘んでおきます
収穫
葉や茎が黄ばみ始めたら、収穫時期です
晴れの日が2~3日続いているときに収穫します
雨の日はイモが腐りやすくなるので避けましょう
〇収穫方法
1. 株元から20~30cm離れたところにスコップを入れます。
2. スコップで掘り起こし、手で株を引き上げます
葉が枯れ出す前に収穫すると、皮の薄い「新じゃが」が採れます
また、地上部が完全に枯れるまでおいて収穫すれば保存性が高まります
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