日本のお年寄りの、4分の1は何らかの認知症の症状を発症していると言われています
この記事を読んでくださっている方の中にも、親族に認知症に方がいらっしゃるかもしれません
そんな認知症ですが、実はこれと似たような症状を発症する病気があるんです
それが「水頭症」です
今回の記事では、水頭症とはどんな病気か医学的な言葉を極力少なくして解説してゆきます
この記事でわかること
・水頭症とはどんな病気か
・水頭症の症状は?
・水頭症の原因は?
水頭症とは?
水頭症という単語は聞いたことがある方多いですよね
ではどんな病気なのでしょうか?
水頭症とは、脳脊髄液(髄液)の循環障害によって拡大した脳室が、頭蓋骨内面に大脳半球を押しつけることにより、数々の脳の障害を引き起こす一連の病態を言います
水頭症の特徴と症状 (bbraun.jp)
分かり易く説明すると
密閉された水槽(硬膜)の中に脳は浮かんでおり、水槽内の水は絶えず産生されたり、破棄(吸収)されて、水槽内の圧力を一定に保っています
その循環に何か異常が起こって、水槽内の圧力が上がってしまい、脳に何らかの症状が出てしまうことを水頭症といいます
また、水頭症には大きく二種類の原因分類されます
非交通性水頭症
生まれつきの病気(先天性疾患)によって発症しやすいタイプの水頭症です
生まれて間もない赤ちゃん(乳児期)では、頭の骨はくっついていません
なので、頭の中に水が溜まっていくと、頭全体が大きくなってしまいます
交通性水頭症
成人した方に多く見られるタイプで、水槽内の水の循環(脳脊髄液の循環経路)自体は正常です
非交通性水頭症よりも脳にかかる圧力が小さく、その圧力が正常値なことも多くあります
そのため、症状が現れることはほとんどないとされています
お年寄りのケアで超重要!!『正常圧水頭症』
脳圧が正常値の水頭症を「正常圧水頭症と」呼びます
このタイプでは
・歩行障害
・認知機能障害
・尿失禁
の3つの特徴的な症状が現れます
症状が認知症と似ているため、発見されずらい病気です
ご家族の方が注意してみてあげてください
症状
主な症状として、以下のような内容が挙げられます
- 頭痛
- 嘔吐
- 視神経の圧迫による視力低下
- 視力異常
- 失明
また、お年寄りは「正常圧水頭症」を発症していることがあるため、以下のような症状にも注意してください
- ・歩行障害
・認知機能障害
・尿失禁
こんな症状、心当たりないですか??
「最近、お爺ちゃん急に認知症が悪化したな~」
「お婆ちゃん、急に歩けなくなっちゃった…」
「前までおトイレは自分で出来てたのに、最近おもらしが多いな~」
原因
先天的な原因
先天的に循環経路のどこかにが詰まっていたり、狭かったりすると、水頭症の症状が現れます
- キアリ奇形
- 二分脊椎症
- ダンディ・ウォーカー症候群
後天的な原因
脳腫瘍
腫瘍で圧迫され、循環系が詰まってしまいます
特に中脳水道と言われる狭い部分が閉塞しやすいです
クモ膜下出血
脊髄(水槽)の中の水は、「側脳室脈絡叢」という部位で産生され、*クモ膜顆粒で吸収されます
クモ膜下出血後に、このクモ膜顆粒の機能が障害されると水頭症となることがあります
クモ膜顆粒とは?
脳や脊髄は3層の膜に覆われて守られており、外側から2層目のものをくも膜といいます
(外から、硬膜→クモ膜→軟膜)
くも膜と硬膜(一番外側の膜)の間は脳脊髄液(水槽内の水)で満たされています
その水がいらなくなった際に、静脈に捨てるのがクモ膜顆粒の役目です
クモ膜下出血後、時間が経ってから神経症状が現れるものは「正常圧水頭症」と呼ばれ、脳圧が上昇して認知症に似た症状が現れることもあります
感染症
細菌性髄膜炎と呼ばれ、クモ膜がトキソプラズマという細菌に感染すると発症します
感染後にクモ膜顆粒の機能が障害され、水頭症の原因となってしまいます
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