心臓は血液を送り出すポンプの働きをしており、毎日休まずに収縮と拡張をくりかえしています
縦隔の下部,体の中心線から少し左に傾いて位置し,心嚢という薄い袋に包まれています
人間の心臓は,大きさはこぶし大で、重さは成人で約 300gと言われています
心臓が止まってしまうと人は生きていく事ができません
今回は、健康診断などで心臓が正常に働いているかを検査する項目について解説していきます
BNP
正常値:18.4pg/ml
18.5pg/ml~39pg/ml :要経過観察 40pg/ml~99pg/ml :心疾患を疑うため、要精密検査 100pg/ml以上 :治療を有する心不全の疑いが生じるので専門医へ相談 (心房細動などの不整脈が起こった時に100 pg/ml近くまで上昇することがあります)
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心臓内で合成されるアミノ酸によって生成されるホルモンです
BPNは心臓への負荷が増えたり、肥大によってBPNの値が増加するので、心肥大などを判断するために検査項目として含まれています
このBPNは
・血管拡張作用
・アルドステロンなどの分泌抑制
・交感神経の抑制
・利尿作用
・心肥大の抑制
といった働きをもっていて、心筋を保護するために必要なものとなります
BMP数値は心房の圧を反映します
心臓が血液をくみ出す力が低下してうっ血を生じたり、体に水分が貯留したりしたときには、心房圧が高くなって、BNPが上昇します
心胸比(CTR)
正常値:男性 50%以下
女性 55%以下
基準値を超える場合、弁膜症、心筋症、心筋梗塞、高血圧、心房細動などよる心拡大を疑い、心エコーなどで精査を行う。
この心胸比(CTR)は透析患者さんでも重宝される項目です
胸部X線画像において、胸郭(胸)で最も幅の広い部分の長さと、心陰影(心臓)の最も幅のある部分の長さの比のことです
透析患者さんは腎臓の機能が落ちているため、尿の量が少なくなります
尿が出ないと、摂取した水分は体内にたまり、むくみや血圧上昇の原因になります
そのまま放置すると、心臓が肥大してポンプとしての役割を十分に果たすことができなくなります
そこで、この心胸比を測定することで、体内の水分量が適切かどうか判断しています
仰臥位で胸部レントゲン撮影した場合は60%以下が正常とされている。
胸部レントゲン撮影時に十分に息を吸わないと、胸郭最大横径が小さく計測されてしまうため、心胸郭比を正しく算出できなくなるので注意が必要である。
左室駆出率(LVEF)
正常範囲:55~80%
計算式 LVEF=(拡張末期容積-収縮末期容積)÷拡張末期容積×100 =1回心拍出量÷拡張末期容積×100
左室駆出率:(Left ventricular ejection fraction:LVEF)の略で、心臓の機能評価の指標のひとつです
左室駆出率は一回心拍出量(SV)の左室拡張末期容積(LVEDV)に対する割合で求めます
また、心エコーでも手軽に計測することができるため、幅広く使われています
LVEFが低い=1回拍出量が少ないため、心臓がポンプの役割を果たせずにいると考えます
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