認知症の初期症状を見流さなければ、適切に対応し、進行を食い止めることができます
今回紹介する初期症状は、実際に僕の祖母で体験したことを軸に、書籍や実際の病院でチェックされている項目を抽出してまとめました
「認知症かも?」
「最近あやしいな…」
そう思ったときに参考にしていただければ幸いです
人の名前を間違える
認知症が発症し始めると、人の名前も徐々に間違えるようになります
僕の祖母の場合では、
・子供と孫の名前が混同する
・親戚の名前を間違える
などがありました
この症状には、大脳皮質という部分が関係しています
記憶は海馬で作られ、大脳皮質で保管されます
認知症では、大脳皮質が委縮(縮んで機能低下)することで長期記憶に影響を与えます
10分前の出来事を思い出せない
「今何をしようとしてたっけ? 思い出せないな~」
皆さんもこんな経験をしたことは多いですよね
最も割合が高いアルツハイマー型認知症では短期記憶を司る、脳の海馬が委縮(機能低下)し10分前の出来事でも思い出せないことが頻回に起こります
「最近物忘れがひどくてね~」
家族がこんなことを言い始めたら、それな認知症の初期症状なのかもしれません
注意深く観察していきましょう
物をしまった場所を忘れる
認知症では、短期、長期の記憶が障害されていくため、しまった物の場所が思い出せない事が頻回に発生します
・貴重品をしまう場所を決めこまめに確認する
・定期的に整理整頓や断捨離をすることで物を少なくする
などの対策と家族の協力が大切になります
言葉につまる、文字が書けない
認知症では、脳全体が委縮するため、言語にも障害が出ます
言語野(別名:ウェルニッケ野、ブローカ野)が衰えることで様々な症状が現れます
・言葉を話す
・話を理解する
・文字を書く
・文字を理解する
といったことがだんだんと困難になり、最終的には「失語」を招くこともあります
失語は大きく「感覚性失語」と「運動性失語」に分けられます
感覚性失語:言葉は流暢に話せても相手の言っていることや文章が理解できない
運動性失語:相手の言っていることや文章を理解できても自分で言葉を発したり文章を書いたりすることが困難になります
指示詞が多くなる
「これ」「それ」「あれ」などの抽象的な表現が増えてきます
言語を思い出しづらくなってきた弊害でもあり、注意が必要です
無気力
認知症が進行してくると、物忘れが多くなり日常生活にも支障が出てきます
そうなると
①やろうとした事が思い出せない
②苛立ち、喪失感に襲われる
③嫌な感情が残り、物事への関心がなくなる
④無気力になる
このような段階を踏んで、どんどん無気力状態に陥ります
「自分は何をしても無駄だ」
「どうせできない」
「毎回できない、今回もそうに違いない」
このように、何度も無力感を味わって無垢力に陥ることを、学習性無気力といいます
外出を嫌がる
記憶や認識力が低下することで、外出することに拒否反応を示します
想像してみてください、何も分からない状態でいきなり外出することは僕たちにも恐怖ですよね
しかし、そのまま放置すると症状の悪化につながるため、強引に連れ出して脳に刺激を与えてあげることが有効な時もあります
「一緒にお散歩行こうよ!」
「今日は天気がいいよ!」
「あっちに綺麗な花が咲いてたよ! 名前教えてよ!」
などと、一緒に外出する口実を作ってあげてください
同じ服をずっと着ている
自分の身だしなみにも無頓着になるため、同じ服をずっと着ている傾向があります
服を選んだり、バリエーションを考えたりすることが面倒になってしまいます
夏や冬においても、場違いな格好をしてしまう事があります
特に夏の熱中症は命の危険が伴うため注意が必要です
着衣失行
自分で服がうまく着られなくなる状態です
前後ろ逆に服を着たり、裏表逆だったり、服をズボンのように履こうとしたり、ズボンに手を通そうとしたり様々な症状が現れます
この際に、「しっかり着なさい!!」
などと怒るのではなく、優しくサポートしてあげてください
日付、曜日が分からない
日付や曜日が分からなくなることを、「見当識障害」といいます
これが悪化すると、朝か夜かも区別できなくなるため
「婆さんや、朝飯はまだかね?」
「夜ごはんは何かね?」
といったテンプレートな認知症症状に繋がります
こまめに日付を教えてあげる
大きな日めくりカレンダーを用意するなど対策して刺激を与えてあげましょう
新聞、書籍よりもテレビを好む
新聞を読む習慣がある人でも、認識力が低下しだんだんと読むのがおっくうになって行きます
症状が進行すると、自分の頭で考え理解する読み物より、ただボーっと眺めているだけのテレビを好んで視聴するようになります
言語野が委縮するために認識力が低下するためです
傾眠傾向
何かしているとウトウトして眠くなる、これを傾眠傾向といいます
穏やかな日差しの中、お年寄りがウトウトしている光景は微笑ましいですよね
しかし、この傾眠傾向にも注意が必要なんです
傾眠傾向は意識障害の一種で、意識障害には意識清明(正常)・傾眠・混迷・昏睡の4段階があります
傾眠の定義
うとうとと浅く眠っている状態です
軽い刺激で意識を取り戻し、呼びかけにも反応しますが、そのまましばらく放置しているとまた眠ってしまいます
認知症で傾眠傾向がみられる原因としては
・昼夜逆転による夜の睡眠量不足
・認知症の初期症状である「無気力状態」から、傾眠状態に陥る
などが挙げられます
耳が遠い
ただ耳が遠いと思っているその症状は本当は認知症が原因かもしれません
聴力は正常だが、聞いた言葉の意味が分からないことが多くなります
・大勢で話している時に会話の理解できない
・分かる言葉と分からない言葉があるため、「都合耳」と呼ばれる状態になる
・そもそも本人が理解できずに伝わっていないことでも、周りの人には
「忘れてしまった」と解釈され「もの忘れ」と表現される場合がある
・話の内容が分からないために、急に怒ったり、笑ってごまかしたり、話を逸らす
このような事が続くと「難聴」に間違われやすく、初期症状を見落としがちになります
まとめ
いかがでしたでしょうか?
家族が認知症かどうか疑い、初期症状を見逃さないようにすれば進行は抑えられる場合もあります
こういった初期症状を理解し、大切な家族をあなたが守ってあげてください
そのお手伝いができれば僕は幸いです
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