きゅうりは1000年ほど前から日本に存在し、古くから食されてきました
漬物にしたり、生で食感を楽しんだりと、いろいろな楽しみ方があります
みずみずしい果実は95%以上が水分と言われており、夏場の水分補給にも是非食べたい野菜です
きゅうりの基礎知識(栄養素、効能)
きゅうりは95%以上が水分で構成されており、「栄養なんてないのでは?」
と思う方も多いはずです
しかもきゅうりには
・食べると体を冷やす
・ビタミンCを破壊してしまう
などと、怪しい噂が立っています
今回はそんな噂の真意にも迫っていきます
誤解を受けやすいきゅうりですが、しっかりと栄養素を含んでいるんです
- カリウム
- ビタミンC
- βカロテン
解説していきます!
カリウム
カリウムは塩分を体内の塩分を調節し、高血圧の改善に役立ちます
さらに、塩分と同時に水分の排出も手伝ってくれるため、体のむくみを改善したりデトックスにも効果を発揮します
また、神経や筋肉などの活動を正常に行わせるためにも欠かせない役割を果たしています
(ナトリウム・カリウムポンプ)
しかし、腎臓の機能が低下している場合、血中カリウム濃度が上がりすぎると心臓停止にもつながってしまうため、腎機能が悪い方は医師との相談のもと摂取量を調節してください
きゅうりは体を冷やす?
きゅうりが体を冷やすというのは、このカリウムが関係しています
カリウムはナトリウムと共に、余分な水分を排泄してくれます
尿を出す際に、体の熱も一緒に排泄してくれます
ビタミンC
ビタミンCには多くの作用があります
- 抗酸化作用
- コラーゲンの合成
- 腸で鉄分の吸収を助ける
ビタミンCは体の老化にもつながる酸化物質(タバコや紫外線、ストレスなどによって発生した活性酸素によるダメージ)から、自分が身代わりに酸化されることによって僕たちの体も守ってくれています
コラーゲンの合成も美しいお肌の維持に欠かせません
腸で鉄分の吸収を助けることにより、赤血球の産生を間接的に補助しています
ビタミンCが不足すると、コラーゲン不足から結合が弱くなり歯茎や粘膜から出血を起こします
これを「壊血」と言います
きゅうりはビタミンCを破壊する?!
皆さんは、きゅうりがビタミンCを破壊するといった話を聞いたことがありますか?
結論から言うと、これは誤解です
ビタミンCには「還元型」と「酸化型」の2つがあり、以前は還元型のみがビタミンCとしての働きをすると考えられてきました
きゅうりには、還元型ビタミンCを酸化型に変える「アスコルビン酸酸化酵素」が含まれているため、きゅうりは、ビタミンCを破壊するとウワサされてしまったのです
「還元型」と「酸化型」は可逆的であり、一旦、変化してもまた元へ戻ることができます
そのため、「アスコルビン酸還元酵素」で「酸化型」になってもビタミンCとしての効果は変わりません!
βカロテン
強い抗酸化作用をもつβカロテンは、活性酸素の発生を抑え、取り除く働きを持っています
本来の活性酸素は、体内に侵入したウイルスと闘う健康維持に大切な物質ですが、増加しすぎると体に害を及ぼします
(活性酸素は毒性が強いためウイルスも死滅させられる)
活性酸素は、動脈硬化や免疫力の低下、老化の促進などを引き起こすこともあるので、食事から抗酸化物質を摂ることは健康維持のためにとても大切です
また、体内に取り込まれたβカロテンはビタミンAの産生を促進し、
体内で必要に応じて皮膚や粘膜を守るはたらきをしてくれます
栽培時期
春まきはポットで育苗して定植
夏まき・秋まきは直播きです
栽培方法
土の酸度 | pH6.0~6.5 |
畝 幅 | 120cm(二条植え) |
畝 高 | 15〜20cm |
株 間 | 45cm |
連作障害 | あり。2~3年あける |
苗作り
〇植えつけ1カ月前
ポットにタネを3粒まき、水をやります
〇発芽したら
1本間引き、本葉が出たら、生育のよいほうを残してもう1本を間引きます
〇本葉3~4枚になったら
植えつけ時期です
土作り
〇植えつけ2~3週間前
石灰を畑全面にまいてよく耕します(1m2/石灰150g)
〇植えつけ1週間前
1. 全面施肥を行います
(1m2/堆肥5kg、油かす100g、化成肥料100~150g、ヨウリン(または魚粉)60g)
2. 畝立てをします
3. 可能ならマルチをかけて地面の温度を上げておきます
根から酸素をたくさん取り入れるため、深く耕して酸素をたっぷり供給できるようにしましょう
また、根は浅く広く張るので、過湿や乾燥に弱く、排水性や通気性が悪い土だとうまく育ちません
そこで、堆肥などの有機物を多めに施して排水性、通気性をよくしましょう
植え付け
1. 約40cm~50cmの間隔(株間)で穴をあけて植え穴を掘ります
2. 1を1畝に2列つくります(二条植え)
3. 植え穴に水をたっぷり注ぎます
4. 穴に注いだ水が引いたら、植え穴に苗を置きます
5. 植え穴に土をかぶせ、株元をかるくおさえます
6. 株のとなりに、長さ2m、直径2cm程度の支柱を立てます
7. つるが支柱にからみつくように誘引を行います
キュウリは肥料好き!!
植えたあとに苗のまわりに堆肥または腐葉土をかぶせておくと良いでしょう
手入れ
〇つるが伸びてきたら
茎が垂れ下がらないように誘引を行います
〇植えつけ2週間後
1回目の追肥を株元に行います(1m2/化成肥料30g)
1回目の追肥は株元に、2回目以降は畝の肩に
〇植えつけ4週間後
1. 親づるの5~6節まで芽かきを行います
2. 7節目から上のわき芽は、2節目までを残して摘心します
3. 2回目の追肥を畝の肩に行います
このあと2週間おきに、3回目以降の追肥を行います(1m2/化成肥料30g)
4. 土寄せします
〇親づるが一番上まで育成したら
親づるは先端まで届いたら摘心します
すると、親づるの中段あたりから子づるが出てきて収量が増えます
キュウリネットを使用するとツルが勝手に絡みつくので誘引の手間が省けます
親づるがネットにしっかり絡みつくまでは、麻ヒモなどを使ってこまめにネットに結びつけてあげましょう
マルチの代わりに
キュウリは本来、地面を這って生育する植物です
地面を這っているなら、浅い根は大きなデメリットにはなりませんが、支柱に誘引する場合は浅い根では乾燥や風の被害に逢いやすくなります
地を這う茎葉の代わりに、浅い根を守るため、敷きワラや刈草を敷くと良いでしょう
土の乾燥を防ぐと共に、雨による泥跳ねを防いで「べと病」などの病気を抑える働きもあります
収穫
きゅうりは成長が速いため、花が咲いて1週間ほどで実が大きくなります
最初の2~3本は、株を疲れさせないために、多少小さくても早めに収穫しましょう
3~4本目以降は、実が18~20cmくらいになったら適宜収穫します
〇摘葉・下葉かき
摘葉は風通しや採光を良くして果実品質を高めます
収穫が始まったら株元の古い葉や大きい葉を取り除いてすっきりさせましょう
黄色に老化した葉や病害虫に侵された葉は適時取り除きます
きゅうりの表面の粉って何?
きゅうりの表面に付着している白い粉ですが、「ブルーム」と呼ばれています
ブルームはケイ素を原料とした果紛で、
雨水を弾き、病原菌の繁殖を抑制したり、鮮度を保つ働きをしています
このブルームですが、食味にはまったく関係ありません
しかし、消費者から
・カビが生えているのでは?
・農薬が残っているのでは?
といったクレームが入ったため、「ブルームレスきゅうり」なども開発されています
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